先日から書いていました浅草の時計屋さんが
お亡くなりになりました。
今月の11日に「閉店半額」という張り紙が気になり
店主に「この値札の半額でいいんですか?」「はい」
「カードで支払は、、、(; ^ω^)」「いいですよ」
あまりの気っぷの良さと、温和で優しいお人柄に
ビンテージウォッチファンというより
このおじいさんのファンに
なっていたのかもしれません。
「高いのからどんどん売れちゃってね!」と
嬉しそうに笑顔で話してくださいましたが、
お元気そうにあちらこちらのショーケースから
色々な品物を取り出してみせて頂きました。
フットワークも軽快でしたので
「本当に病気なのかな?」と
思うほどでした。
この不思議なビンテージ時計屋さんは
以前、時計雑誌にも取材されたお店で
50年の歴史があるお店でした、、
「この箱も、もう使う事無いから持ってく?」
1月10日から20日までの閉店セールでしたが
お亡くなりになったのが22日との事で
余命宣告をされた上での閉店セール
だったそうです。
ご自身の命の限界を知りながら
いつも通りにお店に出られて商売を
されていたのです。
とてもUMEには出来ません。
「来週、地球が爆発するけど、それまで何をする?」
そんな事実を告げられたに等しい状況で
「仕事する」とは言えません。
それが自分の命だけ無くなるとなったら
泣いたり喚いたりしながら
健康な人間を憎み妬みながら
死んで行く気がします。
相方がいつのまにか撮影していた
おじいさんの写真が
遺影として使って頂けるとのお話で
背景を消してプリントした物を
ご遺族にお渡し出来ました。
亡くなる10日前の人とは思えない
素晴らしい笑顔です。
今思えば「悟られた余裕」とは
こういう笑顔なのかもしれません。
神々しい笑顔です。
こんな見事な笑顔を撮影した相方は
いっぱい褒めなければいけません。
UMEには撮れませんし、
それ以前に男にはこんな笑顔を
見せないとも、思われます(; ^ω^)
それにしても不思議な縁が交差した
一枚となりました。